第8章

 一年後。

 私は墓地に立ち、こちらへ歩いてくる見慣れた二つの人影を見つめていた。

 大輝は黒いスーツに身を包み、手には白いバラを抱えている。瑛太は一歩ごとに耐え難い痛みが走るかのように、ゆっくりと歩いていた。

 二人は私の墓石の前で足を止めた。

「また一年だな」瑛太は膝をつき、石に積もった埃を丁寧に拭いながら言った。

「絵奈、また会いに来たよ」

 大輝は花を供え、しゃがれた声で告げる。

「麗奈が、壊れた。毎日、お前の名前を叫んで……ごめんなさいって、繰り返してる」

「仇は取った」瑛太は墓石に刻まれた私の名を指先でなぞり、その手が小さく震えた。

「お前を傷つけた連中は、みん...

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