第6章

私の言葉が、まるで物理的な一撃となって心臓を貫いたかのように、龍也の体は震えた。

よく知っているはずなのに、どこか他人行儀に見える彼の顔を見つめていると、複雑な感情の波が押し寄せてきた。事故から今になって、私はようやく彼の目を見て、お互いが知りながらも決して認めようとしなかった真実を口にする勇気を得たのだ。

「今までずっと記憶喪失のふりをしていたのか？」龍也の声は割れたガラスのようにざらついており、その瞳には私にも見覚えのある痛みが閃いていた。「この他人のために？」

彼は怒りに震える指で治郎を指さした。治郎は身を起こそうとしたが、弱った体では壁に寄りかかるのが精一杯だった。

「...