第7章

私たちは山奥の安全な山小屋へと避難していた。

夜が訪れ、小屋の中は治郎の浅い呼吸と、龍也が寝返りを打つときのかすかな衣擦れの音のほかは静まり返っていた。私は窓辺に座り、遠くで赤々と燃える山火事の光を眺めていた。涙はとうの昔に乾いていたが、胸の痛みはいまだにナイフで切り裂かれるようだった。

口論は、私たち全員を疲弊させていた。眠っている龍也を見つめる。その眉間には、子供の頃に悪夢を見ていたときと同じように、深いしわが刻まれていた。

あの頃の彼は、まだ私の大好きな「お兄ちゃん」だった。

目を閉じると、記憶が潮のように押し寄せてきた。

私が七歳になった誕生日、龍也はこっそりと...

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