第7章

ライラの視点

 結婚式当日、西海岸一帯の狼人社会は沸き立っていた。

 銀月部族の私有荘園は、夢の中みたいに飾り立てられている。白薔薇の滝、クリスタルのシャンデリア、シャンパンタワー。芝生に設えられた巨大なドームの下には、各部族のアルファと長老がずらりと座り、この場がただの式ではないことを雄弁に物語っていた。これは祝宴であると同時に、力の誇示だ。

 控室の鏡の前に立つ。白いウェディングドレスに包まれた私は、自分でも息を呑むほどだった。

「ライラ」

 セスが扉を押し開けて入ってきた。私を見た瞬間、目元が赤くなる。

「……くそ。俺の妹、なんでこんなに綺麗なんだよ」

 私は笑って返す。...

ログインして続きを読む