第8章
リラ視点
ケイデンが屋敷から放り出されたあとも、披露宴はそのまま続いた。
夜。バスルームで熱いシャワーを浴びながら、今日一日のでたらめな出来事を思い返して、胸の奥がじわりと重くなる。
身体を拭き終えて、用意されていた寝間着を見た瞬間――黒いシルクのネグリジェ。薄くて、ほとんど透けている。
かっと顔が熱くなった。そうだ。今夜は新婚初夜だ。
深呼吸して、扉を押し開ける。
ルーカスは大きな窓の前に立ち、背中を向けていた。足音に気づいて振り返る。
深い灰色の瞳が、頭のてっぺんからつま先までゆっくりとなぞる。視線がふっと沈み、喉仏が上下した。
「こっちへ」
掠れた声。...
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