第299章 彼女は気が変わった

二人は顔を見合わせ、そのあまりの衝撃から立ち直るのに長い時間を要した。

「佐々木社長、あなたは私の命の恩人です!」

杉恵絵美は今にも泣き出しそうで、佐々木海子に抱きついて思い切りキスをしたいくらいだった。

さすがにそこまで理性を失い、羽目を外すような真似はしなかったが。

羽塚達夫も同じく興奮を隠しきれない様子だった。

「佐々木社長、まさかこんなによくしていただけるなんて、本当に思ってもみませんでした。もし以前のままだったら……」

言葉を濁し、大の男が感極まってむせび泣き始めた。

佐々木海子は手を振って見せ、穏やかに言った。

「気にしないでください。これからはしっかりと自分の仕...

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