第316章 オレ様社長はちょっとナルシスト

この漁船の底には水が浸み込んでいた。

最初は誰も異変に気付かなかったが、沖へ出るにつれて船体は次第に不安定になり、激しい揺れとともに浸水の音が聞こえ始めると、ようやく全員がパニックに陥った。

「どうしてこんなことに。さっきまで何ともなかったのに、急に水が入ってくるなんて」甘田麻世は、足首まで迫る海水をじっと見つめ、その瞳には死への恐怖が満ちていた。

彼女は佐々木海子の腕にきつくしがみつき、ぶるぶると震えている。

佐々木海子は霧林繁に視線を向けた。「これからどうすればいいの?」

全員がライフジャケットを着用しているため、大事に至る可能性は低い。だが間の悪いことに、彼らの船は他の漁船か...

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