第321章 突然の事態

林田さやかはすでに悟りを開いたかのように、静かに座ったまま、しばらくしてぽつりと呟いた。

「こうなった以上、まずはご飯を食べよう」

佐々木海子に食欲などあるはずがなかった。

やはり、林田さやかの「子供を堕ろす」という決断は理にかなっていると、彼女はさらに強く思い直していた。

何しろ子供が生まれてしまえば、あの男と完全に結びついてしまう。そうなればあらゆる関係や問題が複雑に絡み合い、最も扱いづらくなるからだ。

翌朝、二人は連れ立って病院へと向かった。

しかし、いざという土壇場になって、林田さやかは躊躇した。

「本当に堕ろさなきゃいけないのかな。もし女の子だったらどうしよう。知って...

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