第325章 彼は誤算した

ちょっとしたハプニングはあったものの、今回の買い物は十分な収穫を得られたと言っていい。

テンションが上がっていた佐々木海子は、二人の子供たちへのプレゼントや自分用の品、さらには飼っている犬猫用のグッズまで大量に買い込んでいた。そしていよいよ帰る段になって、小崎頌の機嫌がすこぶる悪いことに気づき、彼への贈り物をすっかり忘れていたことをようやく思い出したのだ。

仕方なく紳士服売り場を通りかかった際、小崎頌のために白いシャツ、黒のスラックス、それに黒い革ベルトを見繕って買った。

決して彼の機嫌を取ろうとしたわけではない。ただ、小崎頌のクローゼットの中は黒やダークブルー、グレーといった暗い色調...

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