第332章 発熱40°

佐々木海子は思わず目を瞬かせた。「小崎颂が……具合悪いんですか?」

昨日、彼女が帰るときは、あんなに平気そうだったのに。

近松嘉子が冷たく笑う。「佐々木海子、あんたって本当に薄情ね。あのとき、誰が必死で守って、あんたをあそこまで押し上げてやったと思ってるの? ちょっと芽が出てきたくらいで、もううちの息子をどうでもいい扱い。よくそんな真似ができるわね?」

言葉の端々は責めてばかりだ。けれど口調も言い回しも、さっきまでよりは幾分抑えられていた。

佐々木海子は荷物を手に取って、外へ出ようとする。

近松嘉子が立ちはだかった。「どういうつもり? どこへ行くのよ」

「会いに行きます。熱が出た...

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