第338章 とんだ勘違い

二人とも頭の中が真っ白だった。終わった。佐々木社長、なんで男をこんなところへ連れ込んだんだ。よりにもよってこんなタイミングで、外の連中に見られた。これが広まったら、佐々木社長は名誉も信用も丸潰れだ。

「麻世、気づいた? あの男、楠本温樹にめちゃくちゃ似てない?」

戸張亜理は二歩も進まないうちに、いきなり甘田麻世の腕をつかんだ。声をぐっと落とす。

甘田麻世も、さっきから引っかかっていた。髪に隠れた半分の横顔をじっと見つめる。見れば見るほど、背筋が冷えていく。

――そういえば。以前、佐々木海子と一緒にバラエティに出たとき、楠本温樹はやたらと彼女に肩入れしていた。

それが脳裏をよぎった瞬...

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