第345章 難癖をつける

佐々木海子は、自分が小崎颂のそばに女が現れたというだけで、寝返りばかり打って眠れなくなるなんて、夢にも思っていなかった。

大丈夫、どうでもいい。小崎颂はそんな男じゃない――そう何度も自分に言い聞かせる。

けれど、言い聞かせれば言い聞かせるほど、胸の奥の疑いだけが大きくなっていった。仕事を終えた小崎颂がドアを開けて入ってきた瞬間、あの女はいったい誰なのかと問い詰めてしまいそうになる。

……いや、聞く必要なんてない。そんなことをしたら、まるで自分が奪われるのを怖がってるみたいじゃないか。彼女はこの恋で一喜一憂する側じゃない。

佐々木海子は心の中で言い放つ。どうでもいい。

そう、どうでも...

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