第346章 誠実こそが必殺技

甘田麻世が慌てて駆け寄り、佐々木海子を止めようとした。だが海子はすでに立ち上がっていて、彼女の腕を掴んだまま出口へ向かおうとする。

今森敏之が慌てて間に入った。

「佐々木社長、落ち着いてください。ちょっとした誤解ですよ。斎田さんも、この二人の実力を見たかっただけで……」

隣のプロデューサーもへらへらと笑い、佐々木海子に「まあまあ、顔を立ててくださいよ」と取りなす。

佐々木海子はぐっと飲み込み、無理やり堪えて、椅子に座り直した。

「角鹿監督とは初めての仕事じゃありません。あの人の目は一番厳しい。キャスティングも担当している。その監督が私の二人を選んだんです。斎田さんを失望させることは...

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