第347章 押しかけて挑発する

佐々木海子は、見知らぬ小娘など眼中にない。腹立たしいのは、ただそれだけだった。小崎颂に本気で火消しをする気があるなら、わけの分からない女をわざわざ自分の目の前に出して、余計な厄介事まで持ち込ませるはずがない。

林田さやかは海子の胸の内を見抜き、そっと手を握った。

「落ち着いて。いま一番大事なのは力を抜くことだよ。あんたは、どれだけの“いい女”を蹴落としてここまで来たと思ってるの。ここで自分から崩れて、笑われる必要ないでしょ」

海子はしばらく考え込み、それから引き返した。

小崎颂は身を清めたばかりのようにさっぱりして、彼女のベッドで待っていた。部屋いっぱいに薔薇の花びらまで散らしてある...

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