第361章 彼女の息子ということだ

姉妹ふたりは小崎颂のもとでさらに二日ほど世話になり、ようやく——ようやく帰る支度を整えた。

ところが出発間際、ルアーが佐々木海子夫妻を呼び止め、「話がある」と切り出した。

「以前、聞いたことがあるの。ルカスのそばに……三歳くらいの子どもがいるって……」

「ルアー」

言い終える前に、小崎颂が鋭く遮った。

ルアーの表情がこわばる。状況を飲み込むより早く、佐々木海子が呆然とした。

「子ども? 三歳くらい? どういう意味ですか?」

「……いえ、べつに」

ルアーはなぜか言葉がつかえた。口を開くべきか迷っているようだった。

だが海子は、その不自然さを逃さない。背筋を冷たく撫でるような、...

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