第369章 再生の事端

物音を聞きつけた佐々木海子は、慌てて扉を飛び出した。階段の下で夏美が倒れている。額から血がだらだらと流れていた。

メイドはすでに家庭医を呼びに走っている。佐々木海子は段差を駆け下り、そっと夏美の身体を抱き起こした。夏美は目を閉じたまま、完全に意識を失っている。

その瞬間、佐々木海子の胸をよぎったのは、かすかな絶望だった。

顔を上げると、ちょうど宪司が部屋から飛び出してきて、階段の上に立っていた。口元を歪め、姉を指さして、腹を抱えて笑っている。頭を打って血を流しているのが、楽しくて仕方ないとでもいうように。

胸がきゅっと締めつけられる。佐々木海子は成沢治子に宪司を見ているよう命じ、夏美...

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