第393章 ばかを言うな

佐々木海子はゆっくりと顔を上げ、席にいる全員をひとりずつ見渡した。

顔は見えた。

その中に混じった、ずる賢く醜い表情も。

――あれは本人の顔じゃない。朝戸筱の顔だ。

佐々木海子は録音データを再生した。

あの日、撮影現場の外で朝戸筱と口論になったとき、流れで録っておいた音声だ。

「私が抱えてるあの二人のタレント、最近、海外でも名の通った監督と繋がったのよ。あの監督の作品に出られたら、芸能界での立場なんて一気に上がる。稼ぎだって他とは桁が違う。羨ましがられたって、相手は真似できないんだから」

「バカねえ。私のどこが害悪よ。むしろ一番有能なマネージャーでしょ。どこにいたって会社に金を...

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