第394章 バレンタインデー

 彼女は佐々木海子の腕に自分の腕を絡めた。

「わたし、最近ほんとに板についてきたのよ。監督にも『芝居、いいね』って言われたし。でもさ、あの人たちが社交辞令で適当に持ち上げてるだけだったら嫌じゃない?」

 そこでわざわざアシスタントに盗み聞きまでさせたらしい。

「そしたらね、監督が本気でわたしのことベタ褒めしてたの。最高でしょ。これも全部、佐々木海子のおかげよ……あなたがいてくれて、わたし本当に運がいいわ」

 近松嘉子の言い分に、佐々木海子は思わず苦笑する。

「前はそんなこと言ってなかったよね。うちの息子が私に出会ったせいで八つ当たりレベルに不幸だとか、小崎家の先祖の墓が呪われてるか...

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