第403章 大火

だが、誰が想像しただろう。あの男が、裏ではそんな人間だったなんて。

「いまネットで大騒ぎよ。茂田小恵もさ、演技だって実力だってあるのに、どうして五十過ぎの――父親でもおかしくないような男と一緒になるわけ?」

甘田麻世は両手を広げ、心底わからないといった顔をした。

佐々木海子も小さく息を吐く。

理由なんて決まっている。追い詰められたか、手を出してはいけない甘い夢に溺れたか。いずれにせよ、一発でのし上がれるとでも思ったのだろう。

「佐々木社長、お客さまです」

亜田睦美がドアをノックして入ってきた。

「誰?」と、甘田麻世がついでのように訊く。

すると亜田睦美の後ろから、帽子にマスク...

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