第404章 一時的失明

だが、災厄はまたしても降りかかった。

甘田麻世がげほげほと咳き込み、口元を押さえる。

「佐々木社長……なにか、毒ガスが漏れてるみたいです」

佐々木海子も異変を察した。鼻の奥にまとわりつく匂いが、あまりにも不気味だった。

その瞬間、甘田麻世がふっと力を失い、倒れ込む。

佐々木海子は慌てて人中を押し、呼びかけた。けれど、反応はない。

吸い込むたびに、体の内側から意識が削られていく。視界が闇へ沈む直前、どこかで聞いたことのある声が、かすかに耳へ届いた。

同時に、会所のスタッフはすでに救助を開始していた。ほかの客は皆、騒ぎはあっても無事に避難できたのに、佐々木海子たちのいる部屋だけ、扉...

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