第409章 林田さやか出産

佐々木海子はしばし沈黙してから言った。

「お母さん。言いたいことは分かってる。わたしは大丈夫だから、心配しないで。もう少しだけ時間をくれない?」

近松嘉子は言葉に詰まり、何を返せばいいのか分からなくなる。

林田さやかも固まったまま、呆然と海子を見た。

――自分みたいな部外者ですら腹が立ったのに、当の本人はまだ理性を保っている。誰かを傷つける言葉を、ひとつも口にしない。

さやかは思わず言いかけた。「そんな強い芯があるなら、何をやっても上手くいくよ」って。

「……あ、あなたが分かってるならいいのよ」近松嘉子は気まずそうに笑い、「人に頼んで盲導犬を買わせたの。改めて小崎颂に持っていかせ...

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