第411章 さようなら小崎玲子

亜田睦美が帰ったあと、佐々木海子はひとりでしばらく座り込んでいた。

少し離れた背後で小崎颂が見守っている。どこか安堵したような眼差し。

「よくやったな」

ずいぶん時間が経ってから、彼はようやく近づき、海子の肩にそっと手を置いた。

佐々木海子は唇をきゅっと結ぶ。

「助けてくれて……ありがとうございます」

胸の奥がじんわり温かい。小崎颂のおかげだ。

「光栄だ」

「もう会社に行ってください。こんなに長く出社しないの、よくないです」佐々木海子は言った。

これで三度目だ。

小崎颂は少し黙ってから、「本気で言ってるのか?」と低く返す。

佐々木海子はうなずいた。

「はい。わたしを信...

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