第418章 彼から遠ざかれ

佐々木海子は考える間もなく、鷹羽京子を連れて病院へ駆け込んだ。

――たぶん、住友琛だ。

案の定、病院に着くと、背が高く細身の男が廊下の壁にもたれ、ぐったりと俯いていた。全身から、じめっとした陰の気が漂っている。

「何しに来たのよ。頭おかしいんじゃない?」

海子は苛立ちを隠さず吐き捨てた。

本当に、理解できない。もう、知っている住友琛じゃないみたいだった。

「狂ってる……。私の知ってる住友琛は、最低限の尊厳と一線くらいは守る人だったでしょ。さやかのこと、放っておいてあげなよ。静かに暮らさせてあげなさいよ」

住友琛の顔がこわばり、反応が半拍遅れたように見えた。

たった数日で、頬が...

ログインして続きを読む