第426章 誘拐される

大楠誠はソファチェアにどさりと腰を下ろし、顔を真っ黒にして言った。

「いいから。食べよ」

言い終わるより早く、佐々木海子は彼女の表情から大体を察する。

「ケンカしたの?」

笑いながら訊ねると、

「ケンカどころじゃないよ。別れ話になりかけてる」

大楠誠の投げやりな返答に、林田さやかは目を丸くした。

「なんで? あんたたち、男前と美人でめちゃくちゃお似合いじゃん。それに小崎様のあの顔よ? 腹立ってても一回見たらだいたい許せるでしょ?」

大楠誠は自嘲気味に笑う。

「うちらが普通じゃないんだよ。もういい、いい。食べるなら食べる、飲むなら飲む。嫌な話はやめ」

海子は内心で引っかかり...

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