第102章 汚いもの

夏川紅蓮がずっと彼を見つめているせいか、夏川懐星はどこか照れくさそうに視線を泳がせた。

「ナナ、何見てんの?」

「懐星兄さんだよ」紅蓮は真っすぐに言う。「懐星兄さんってさ、誰かに言われたことない? ほんとにカッコいいって。大スターの器あるよ」

夏川懐星は自嘲気味に笑った。

「カッコいいって言うやつは、まあ何人かいる。でも『大スターの器』なんて言うのは……お前だけだ。母さんにだって、何度も諦めろって言われた」

「お母さんも?」

「ああ。俺がしんどそうにしてるの見て、つらいんだろ」

「じゃあ、なんで諦めないの? 芸能人なんて、いいことばっかじゃないでしょ。外出るだけでジロジロ見られ...

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