第105章 蹴り飛ばす

さっき夏川懐星が台本を読んでいたとき、夏川紅蓮もついでに耳に入れていた。

みんなのセリフは同じ。前に出て数行読むだけで、技術的な難しさは皆無だ。だから紅蓮は、意識しないまま内容を覚えてしまっていた。

それに気づいた夏川懐星が、ぱっと目を輝かせる。

「俺の妹、顔がいいんだ。紅蓮が林田ココの代わりに撮るの、全然いける」

川瀬東はその言葉を聞くと、夏川紅蓮を上から下まで値踏みするように眺めた。

背はモデル並み。全身のバランスもほとんど完璧。

そして何より、顔が――腹が立つほど綺麗だ。

だからこそ、さっき一目見た瞬間、どこかの新人タレントかと思ったのだ。

林田ココの代役としては、確か...

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