第106章 門前払い

まいは、夏川紅蓮がどんな提案をするのかすら聞かずに、即座に頷いた。

「おっしゃってください。俺にできることなら、必ずやり遂げます」

「簡単よ」夏川紅蓮は言う。「女の子が一人足りないんでしょう。私が代わりに入って撮影する。その代わり、懐星兄さんは普通の男装のまま参加させて」

まいは拍子抜けした。まさか、そんな些細なことだとは。

「承知しました。ですが……夏川嬢に撮影へ入っていただくことになります。お手間を取らせてしまって」

「大丈夫。手間じゃないわ」

そう言うや否や、メイクスタッフがわっと押し寄せた。

夏川紅蓮は薄化粧を施されただけで、場の空気が一段変わった。

白いワンピースを...

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