第108章 彼女は大事な客だ!

夏川紅蓮もその光景を目にして、顔にわずかな驚きが浮かんだ。

すると次の瞬間、相馬部長が吐き捨てるように言い放つ。

「何が狂ってるだ。この方は諏訪社長のお客様だ!」

受付の女は、ぎょっと目を見開いた。

「そ、そんな……本当に……」

「役立たずが。今すぐ人事に行って給料もらって消えろ!」

相馬部長の怒気が、ロビーの空気を切り裂いた。

今月に入ってから、この受付は「受付」という立場を笠に着て、どれだけ客を追い返した?

少しでも見目のいい相手で、予約がないとなれば、身元も用件も確かめず門前払い。挙げ句の果てに――。

つい一昨日も、坂東グループの令嬢を追い返したばかりだ。

相手は諏...

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