第11章 もうお前と寝たことにする

安原雅子の体には外傷ひとつない。なのに魂でも抜けたみたいに虚ろで、まるで途方もない責め苦を受けてきたかのようだった。

彼女を引きずってきた男は、目の下にくっきりとした刃物の傷が走っている。男はそのまま安原雅子を諏訪淳行の前へ放り投げた。

「ゆきさん、吐かせました」

「こいつ骨が柔らけぇ。二手ほど使ったら、全部ベラベラ喋りやがった」

まいは小さく首を振る。

「剛、女相手にもう少し手加減できないの? あんたのやり方、男に使ったって二手も保たないでしょ」

広瀬剛は鼻で笑った。

「時間がねぇんだよ。それにこの女、腹の底が真っ黒だ。手加減したら口を割らねぇ」

安原雅子はがたがたと震えな...

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