第110章 服を脱いだ

だが、夏川紅蓮はすぐに我に返った。

この男は具合が悪いだけで、性格まで入れ替わったわけじゃない。

諏訪淳行と「いい子」なんて、どう頑張っても結びつかない。

紅蓮は立ち上がり、バッグから携帯用の医療ポーチを取り出すと、改めて諏訪淳行へ視線を戻した。

「服、脱いで」

諏訪淳行は彼女を見つめた。その目つきが、まるで自分が襲われるとでも言いたげで。

……何なの、この人。

夏川紅蓮は不機嫌そうに眉をひそめ、諏訪淳行のくだらない妄想をぶった切る。

「善意を疑わないで。理療は上を脱がないとできないでしょ。脱がなきゃ、どうやってやるの」

「……あ、そう」

ほっとした顔をされて、紅蓮の苛立...

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