第115章 彼女を始末する

夏川懐星が口を開いた途端、数人の視線がいっせいに夏川紅蓮へ向いた。

撮影用に着替えた白いワンピース。裾がそよ風に揺れて、咲き誇る白薔薇みたいだ。

陽射しが布地の縁を金色に縁取って、夏川紅蓮という存在そのものが、ふわりと光をまとっているように見える。

南雲穗香がラケットを置き、近づいてきた。

「好きな芸能人、会えた?」

夏川紅蓮は一瞬きょとんとした。だが視界の端で、夏川懐星が「合わせろ」とでも言うように目で合図してくるのが見え、すぐに察する。

一緒に出かけたのに、戻ってきたのは懐星だけ。

つまり懐星が用意した言い訳は――自分が推し活に行っていた、ということ。

南雲穗香は紅蓮の能...

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