第117章 彼女のために禁煙する

夏川懐理は夏川紅蓮の背中を追いながら、首をかしげて訊いた。

「……まだ、入院してる友だちがいるの?」

夏川紅蓮の足が、ふっと止まる。

「あなたも知ってる人よ。会えば分かる」

夏川懐理は意味が分からないまま「へえ」と相槌を打ったが、好奇心が勝って歩調はむしろ速くなった。

紅蓮の言う「友だち」は、別棟の病棟にいるらしい。

二人で病室まで来たものの、中には人影がない。

仕方なく、夏川紅蓮はナースステーションへ向かった。

「すみません、1番ベッドの患者さんは?」

「病室にいませんか?」

「いないの」

紅蓮は眉を寄せた。と、そのとき――さっきナースステーションへ来る途中、非常階段...

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