第120章 諏訪淳行が動く

夏川懐理はすぐさま追いかけようとした。

だが車の流れがあまりにも多い。ほんの一秒、躊躇しただけで、諏訪淳行ははるか前方へと消えていた。

諏訪淳行は車に轢かれるかどうかなど、まるで気にしていないようだった。狙いはただ一つ。道路の向こうのレストランへ、一直線に駆ける。

二車線ぶんの運転手たちは肝を冷やし、クラクションを連打しながら急ブレーキを踏んだ。

幸い、淳行の足が速かった。人身事故にはならなかったものの、運転手たちは堪えきれず窓を開けて怒鳴り散らす。

そこへ淳行のボディガードが駆け寄り、余計な口は利かず、札束をそのまま車窓へ押し込んだ。

運転手たちはぴたりと黙り、窓を上げるとアク...

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