第131章 彼は怖がっている

夏川紅蓮と夏川懐理が帰宅したとき、執事の姿はなかった。二人が乗ってきたのも、やはり諏訪淳行の車だった。

南雲穗香はリビングの入口でそれを見てしまった。

だから玄関を入るなり、彼女はすぐに問いただした。

何をごまかしても無駄だと悟り、紅蓮は道中で事故車を見かけたことだけを話した。

自分が飛び込んで救助し、危うく命を落としかけたことまでは言わない。

懐理も賢く、その件には一切触れなかった。

南雲穗香に余計な心配をさせる必要はない。結局、二人とも無事なのだから。

テレビではまだ気象ニュースが流れていた。

今日は朝からずっと、台風被害の速報ばかりだ。

紅蓮はリモコンを手に取り、ぷつ...

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