第143章 夏川家はとっくに没落していた

雰囲気もへったくれもない誕生日会だった。

見れば分かる。招かれてもいないのに押しかけてきた連中が、かなり混じっている。

しかも肝心の主催側は三人とも姿を見せず、対応しているのは使用人ばかりだ。

夏川紅蓮は会場を一瞥し、白石奥様のほかにも見知った顔がいくつもあることに気づいた。

その中には、高見浩然と妹の姿もある。

高見浩然は寝不足なのか、目の下にくっきり青い隈が落ちていた。だが紅蓮を見つけた瞬間、ぱっと目が輝く。

彼はまっすぐ紅蓮のほうへ歩いてきた。

「神医さんも、誕生日会に来たんですか?」

「母に付き添いで」紅蓮は淡々と返す。明らかに社交辞令だ。

けれど高見浩然は気づかな...

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