第168章 破相

今日起きた二つの災厄について、須藤美代が黒幕なのかどうかで皆が言い争っている最中、消防車が到着した。

だが道路の整備が間に合っておらず、消防車は敷地内へ入れない。

駆けてきたのは消防隊員だけだった。

「車両が入れない! 中にまだ人はいるか!」

こちらが答えるより早く、女の従業員が甲高く叫んだ。

「見て! 火元のところ、窓が開いた!」

一斉に視線がそちらへ向く。

ホテル四階の窓が押し開けられ、煙の向こうに、かすかに人影が立っていた。

「助けて——!」

叫び声。

夏川紅蓮はすぐに気づいた。夏川瑠璃の声だ。

紅蓮は諏訪淳行のほうを見た。淳行も同じように紅蓮を見る。

言葉はい...

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