第190章 江口沢が罠に落ちる

高柳月代に同情する?

――正気を失ってでもいない限り、ありえない。

高柳月代が自分の息子のために必死になるのは勝手だ。だが、彼女のせいで子どもを失った親たちはどうなる?

誘拐犯は、死んで当然。

村ぐるみで誘拐に手を貸した連中も、見て見ぬふりをした連中も――同罪だ。死んで当然。

「うちの母さん、もう自首しに行った。これで満足だろ? 帰ってくれないか」

江口沢が冷ややかに彼女を見た。

夏川紅蓮も、同じ温度の視線で見返す。

「私が帰るって、言った?」

江口沢が言葉に詰まり、次の瞬間には顔を赤くして噛みついた。

「約束を破る気か?」

紅蓮は鼻で笑う。

「破るって、最初からそう...

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