第192章 私はあなたの女じゃない

夏川懐斗が去る前、あるホテルの名を口にした。彼女はすぐに部下へ調査を命じたが、やはりそこは古流会がかつて握っていた事業だった。

夏川懐斗が古流会の人間でなければ、そもそもそのホテルに辿り着けるはずがない。

夏川紅蓮が引き継いでから、彼女自身もホテルの線を洗い直した。すると古流会が崩れた直後には、すでに名義が移っている。しかも一度ではない。二度、手が替わっていた。

古流会の痕跡は徹底的に消されていた。綺麗さっぱり。――その線は、そこで途切れた。

だが今になって、巡り合わせの悪戯みたいに、彼女の視線は一軒の宝飾店へ向いた。

夏川懐斗もその店は調べている。ただ、彼の手では限界があった。掴...

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