第36章 トラウマを破る!

夏川懐志と夏川懐清は顔を見合わせた。夏川懐斗の姿が見えない。まさか、何かあったのでは――そんな不安が胸をよぎる。

夏川懐清が尋ねる。

「懐理、昨日あいつを最後に見たのはいつだ?」

夏川懐理はすぐに答えた。

「昨夜、夕飯のあとだよ。俺と彼女でナナの買い物に付き合ってたんだ。そのあと懐斗兄さんが『ちょっとトイレ行ってくる』って言って、それきり姿が見えなくなった。電話も全然つながらなくてさ、自分の用でもあるのかと思って先に帰ったんだよ。まさか、今になっても家に戻ってないなんてさ」

夏川紅蓮はふと思い出した。以前、夏川懐理が言っていた。夏川懐清は昔、凄腕のハッカーだった、と。

「兄貴。懐...

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