第61章 彼が、自ら出迎える!

もし彼女が、相馬照という男がこれほどまでに悪を憎み、それでいて情に脆い人間だと前もって知っていたなら――もっと早く相馬照のもとへ行っていたはずだ。

そうすれば、弟子入りだって早かった。

高見家の連中も、彼女が相馬照の弟子になったと知れば、さっさと嫁入りを認めていたかもしれない。

けれど、今からでも遅くはない。

「もちろん、喜んで。ただ……私、才能が足りなくて、先生の名を汚してしまわないか心配です」

夏川瑠璃は胸の内では飛び跳ねたいほど嬉しいのに、表情は抑え、わざと控えめに言った。

相馬照は笑って彼女の肩をぽん、と叩く。

「謙遜しなくていい。俺は人を見る目には自信がある」

夏川...

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