第90章 彼女を信用しない

夏川紅蓮は眉をひそめた。

「なんでまた付いてきたの?」

諏訪淳行は眉を上げる。

「俺も乗せろ」

夏川紅蓮は今度は即答で突っぱねた。

「重い。スピード落ちる。降りて」

諏訪淳行は傷ついたような顔をする。

「冷たくない? さっきまで慰めてやってたのに。用が済んだらポイってわけ?」

夏川紅蓮は同じ言葉を繰り返す。

「降りて」

諏訪淳行は観念しかけて足を動かしたが、ふと思い出したように口を開いた。

「やめとけ。海市は電動バイクのスピード違反、取り締まりがやたら厳しい。俺がいれば話はつけられる。お前が捕まったら、余計に時間食うぞ」

夏川紅蓮は一瞬だけ考え、ようやく折れた。

「...

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