第100章

「それで、その人に言われたの。『俺と一緒に警察署へ行け。何があっても詮索するな』って」葉山詩音は唇をきゅっと結ぶ。「警察署に着いてから、放火のことだって分かって……私、怖くなった。自分が巻き込まれるのが嫌で、最初は断ろうとした。でもあの人、やけに自信満々でさ。『必要なのはお前の名前だけだ。お前自身に火の粉は飛ばない』って」

相手が差し出した甘い見返りに、葉山詩音は結局、警察署で何か起きる恐怖よりも、葉山家を失う恐怖を選んだ。あの老人の言うとおりに、手を貸したのだ。

「終わったら、あの老人は消えた。ずっと落ち着かなかったよ。でも……約束は守られた。葉山家の商売は右肩上がりになって、それに占...

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