第14章

観客たちは「格」の話に引っ張られ、その一点だけでひとしきり揉めた。

そんな中、葉山詩音は鈴原明志の腕に自然に手を添えたまま、松村林也たちの前まで歩いていき、甘い笑顔で挨拶する。

その視界の端に沈村蓮が入った瞬間、詩音の瞳の奥を、ほんの一筋の陰りが横切った。

鈴原明志はというと、いきなり沈村蓮を睨みつける。すると観客席でも配信のコメントでも、「あの因縁って何?」とざわつきが広がった。

カメラの前ではみんなにこやかに。遠坂遥が人懐っこく世間話を振りつつ、なぜか鈴原明志のほうを何度も見て、葉山詩音には少しだけ距離を取る。

番組スタッフは「話題」が転がってくるのを内心喜びつつも、あえて突っ...

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