第39章

沈村蓮の読みは、当たっていた。

沈村蓮がT市大学の人間だというだけで、真偽はさておき、葉山成也と葉山時雄は「いずれ葉山家に戻す」腹を決めていた。

そもそも葉山家から研究院に入った者など、これまで一人も出ていない。

研究院はT市での地位が高く、街全体から一目置かれているらしい。葉山家も、いずれ家がもう一段のし上がった暁には、一家でT市へ移るつもりでいた。ならば研究院の人間が身内にいれば、T市の空気に溶け込むのも早い――そう踏んでいたのだ。

もっとも、それは「いずれ」の話。葉山成也と葉山時雄は、わざわざ頭を下げて沈村蓮に連絡し、戻ってきてもらうつもりなどなかった。

彼らがここまで前のめ...

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