第47章

葉山詩音がそれを受け入れられるはずもない。これまで鈴原明志は、いつだって彼女を手のひらで大事に扱ってきたのだ。詩音はその場で泣き出し、「もう私のこと、好きじゃないんだ」と責めるように言った。

鈴原明志のほうも、正直いっぱいいっぱいだった。会社のゴタゴタに振り回され、苛立ちが積もりに積もって、つい口が滑っただけだ。詩音が泣き出したのを見た瞬間、胸の奥がひゅっと冷える。後悔が込み上げ、いつもの癖で彼女を宥めにかかった。

ようやく詩音の機嫌を直し、「二度としない」と何度も約束して、やっと彼女は涙を拭って笑った。

けれど、その笑顔を見ても、明志の胸はなぜか晴れない。言葉にできない苛立ちが、じわ...

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