第49章

一方、その頃。

諸々の段取りを片づけ、明日の収録に必要な準備まで整えた頃には、もう夕暮れになっていた。

田山監督は疲れきった身体を引きずりながら、同行していた副監督や助手たちの「一緒に飯でも」という誘いを断り、ひとり部屋へ戻る。

入ってすぐ、孫の田山正雄から電話がかかってきた。田山監督は受話口に出るなり、矢継ぎ早に訊ねる。

「もしもし、正雄か。事故の処理はどうなった?」

向こうの声も、どこか疲れが滲んでいる。

「お爺さん、心配しないで。警察で調書は取ったし、保険会社にも連絡した。それから車も何度も点検に回したけど……結果は同じ。異常なしだって」

「本当にか?!」

田山監督の顔...

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