第99章

葉山詩音は反射的に言い返そうとした。だが、沈村蓮が何を訊いているのか理解した瞬間、胸がひゅっと跳ねる。

「……事故? 何の話よ。意味わかんないこと言わないで」

その一瞬の動揺。

詩音が操るマシンは、沈村蓮にあっさり抜き去られた。画面の中で距離がぐんと開き、詩音の順位が落ちる。

「っ……!」

葉山詩音は奥歯を噛み、ハンドルを捻って加速する。

沈村蓮は涼しい顔で詩音のマシンを振り切りながら、澄んだ声で言った。

「知らない? じゃあ、思い出させてあげる。六年前、葉山成也と沈村茜が私のところへ来る少し前。沈村茜は先にあなたを遊園地へ連れていった。道中であなたは車に撥ねられて怪我をして、...

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