第112章

私:……

わざとじゃないって言っても、玖珂智は信じてくれるだろうか?

「すみません! 痛くないですか!?」

私は彼の上に覆いかぶさったまま、慌てふためいて身を起こそうともがいた。無意識に彼の逞しい胸板に両手をついてしまい、焦れば焦るほど、立ち上がるのにもたつついてしまう。

これじゃまるで、彼のお体をまさぐっているみたいじゃないか。

もう、泣きたい……。

私がようやく身を起こすと、玖珂智もベッドの端に手をついて立ち上がった。その表情は薄暗くて読み取れない。

玖珂社長、申し訳ありません。わざとじゃなくて……その、大丈夫ですか?」

私は気まずさのあまり、視...

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