第118章

私の一言で、玖珂智の顔色がみるみる曇っていった。

「僕が、君を盾にして自分だけ助かるような人間に見えるんですか?」

彼の瞳には、明らかな苛立ちが滲んでいる。

私は慌てて首を横に振った。

「ち、違います! そういう意味じゃなくて……ただ、これ以上ご迷惑をおかけしたくない一心で……」

しかし、弁解すればするほどドツボにはまる気がして、結局それ以上は口をつぐんだ。

玖珂智は私をじっと見つめ、冷ややかに言い放つ。

「迷惑をかけたくないなら、馬鹿な真似はしないでください」

「はい!」

こちらに非がある以上、素直に頭を下げるしかなかった。

そんな私の様子を見て、彼はそれ以上毒づくこと...

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