第122章

返信する間もなく、家政婦のおばさんがやって来た。

私は彼女に注意を促した。

「これ、処分しておいてください。中身は開けないほうがいいです。ちょっと……気味が悪いかもしれないので」

おばさんは怪訝そうな視線を私に向けたが、そこはやはり別荘勤めのベテランだ。雇い主を不用意に刺激しない術を心得ているのだろう。

すぐに視線を外し、素直に「分かりました」と頷いた。

おばさんが箱を抱えて部屋を出ようとしたその時、まさか玖珂智が姿を現した。

「引っ越すつもりか?」

彼は箱に視線を落とし、眉をひそめて尋ねた。その声には、微かな不機嫌さが滲んでいる。

私は首を横に振った。

「いえ、ただの不用...

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